豆腐・消泡剤使用の表記
<豆腐・消泡剤使用の表記>
巷では多種多様な豆腐が販売されていますが、商品によって製造工程で消泡剤を使用しているものと不使用のものがあり、原材料名欄への記載の有無もまちまちです。
(例)
原材料名:大豆(遺伝子組み換えでない)/凝固剤、消泡剤(グリセリン脂肪酸エステル) |
同じ位の値段・量で消泡剤の表記がある商品と無い商品が並んでいると、表記の無い方の商品を選んでしまいがちではありますが、実際に消泡剤が使用されているか否かは、原材料名欄の記載有無のみでは判断しきれません。
そもそも消泡剤とは?
砕いた大豆を加熱する際に泡が生じます。これにより豆腐の製造効率が悪くなり、また見た目や風味が損なわれてしまう原因にもなります。
その際に使用される添加物が消泡剤です。いくつか種類がありますが、一番見かけるのが「グリセリン脂肪酸エステル」という添加物ではないかと思います。
ただし、豆腐の製造において消泡剤は必須という訳では必ずしもありません。消泡剤を使用している=悪いということでは決して無いと思いますが、出来れば消泡剤無添加の商品を購入したいというのが消費者の心情です。
添加物の表示が省略出来るケース
豆腐に使用される消泡剤は、食品表示上は添加物に分類されます。
原則として使用された添加物はすべて表記することが求められますが、添加物の表示が省略出来る例外ケースが規定されています。
①栄養強化の目的で使用されるもの
→栄養強化の目的で使用されるビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類については、表示を省略できます。
②加工助剤
1.当該食品の完成前に除去されるもの
(例)油脂製造時の抽出溶剤であるヘキサン
2.当該食品の原材料に起因してその食品中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられ、かつ、その成分の量を明らかに増加させるものではないもの
(例)ビールの原料水の水質を調整するための炭酸マグネシウム
3.当該食品中に含まれる量が少なく、かつ、その成分による影響を当該食品に及ぼさないもの
(例)豆腐の製造工程中において、大豆汁の消泡の目的で添加するシリコーン樹脂
③キャリーオーバー
食品の原材料に使用された添加物について、次のすべての条件に当てはまる場合は「キャリーオーバー」となり、表示が免除されます。
1.食品の原材料の製造又は加工の過程において使用されるもの
2.当該食品の製造又は加工の過程において使用されないもの
3.当該食品中には、当該添加物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていないもの
消泡剤は②(の3.)のケースに該当するため、表示基準上では表記不要とされています。
ある意味、原材料名欄に消泡剤の記載がある商品は、表示の義務が無いにも関わらずむしろ丁寧に開示していると捉えることも出来ると思います。
自分も原材料欄に消泡剤が明記されていない商品を手に取る傾向が正直ありますが、その行為がむしろ「正直者がばかを見る」状況を助長しているような気がしなくもないな、と思うこともあります・・・。
ちなみに、消泡剤を使用していない商品を選ぼうとする場合は、「消泡剤不使用」の旨が別記されている商品を選択することが確実です。
↓例えばこんな感じで明記されている商品↓
また、工場生産なら消泡剤を使用している、個人の豆腐屋さんなら消泡剤不使用という訳でもないようです。
以前住んでいた近所の豆腐屋さんは消泡剤を使用していました(逆に言うときちんと明示してくれていたという事ですね。)し、上記写真のメーカーさんは消泡剤不使用とのことです。
太子食品工業株式会社|消泡剤・乳化にがり不使用|豆腐、納豆、油あげはタイシ
↓参考URL↓
東京都保健福祉局「食品衛生の窓」
太子食品工業株式会社
太子食品工業株式会社|おいしさのふるさとは自然です。|豆腐、納豆、油あげはタイシ
(豆腐の製造工程の説明も分かりやすいし、品質へのこだわりも垣間見えて好印象でした。ありがとうございました。工場見学も行ってみたいです。)